調神社と書いて「つきじんじゃ」。神様のお遣いが兎さんというのはめずらしいですね。調を「つき」と読むことから月待信仰に結び付き、月神の使いとされるうさぎの彫刻が境内に置かれるようになりました。「ツキ」を呼ぶということで勝負事に勝つ、というご利益もあるんだとか。浦和レッズも参拝に来ているそうです。
調神社(浦和)の場所
浦和駅西口から徒歩10分。旧中山道の東側に鎮座しています。余談ですが、浦和駅からの道すがらとっても雰囲気のいいお店がありますよ。
・鳥居がない
・境内に松の木がない
・御手洗池にすむ片目の魚
・祭神の使い姫は卯
・日蓮上人駒つなぎの欅
・蠅がいない
・蚊がいない
調神社(浦和)をバーチャル体験
調神社には鳥居がありません。ご由緒によると、伊勢神宮へ納める貢(調)物(みつぎもの)の初穂を納めた倉庫群の中に造営されたため、貢物搬出入の妨げにならないように鳥居がないと伝えられています。
「阿」形の駒兎ですが口は閉じていますね。子ウサギを抱えています。
「吽」形の駒兎。こちらも子ウサギを抱えています。兎は多産の意味合いもあります。そういえば、ウサギは生命の復活と繁栄を祝うイースターのシンボルですね。
こちらが私の一番のお気に入り、手水舎のうさぎ。口からちょろちょろと水が出ています。ちょうど一緒になった参拝の方と「なんだか前足がそろってて可愛いわね」とちょっとおしゃべり。見知らぬ人との会話のきっかけもくれる、そんなうさぎです。
手水舎の左が拝殿です。手前にある木にしめ縄がはられています。繊細な造りがうさぎにマッチしています。
先代の「狛兎」。1861年(萬延2年)の作だそう。前年には桜田門外の変で大老井伊直弼が暗殺され、翌年には薩摩藩士たちがイギリス人に切りつけるという生麦事件がありました。日本の鎖国政策が限界を迎え、世の中が激変する予感の中、このウサギは何を思っていたのでしょうか。
神楽殿。干支の絵馬があります。
調宮 天神社。
金毘羅神社。
駐車場完備。これだけ広いといいですね。
池にもウサギの石像があります。口から勢いよく水を飛ばしています。亀とカモが昼寝していました。
御朱印をお願いしたら、こんなにかわいい番号札を渡されました。心使いがうれしいですね。
最後に
7不思議の一つ「境内に松の木がない」理由について、さいたま国際観光協会のホームページに「一説に弟神須佐之男命(すさのおのみこと)が大宮へ出かけ、なかなか戻って来ないので姉神の月読命(つくよみのみこと)が「もうまつのはいやじゃ」といったのがその理由」と記載されていました。アマテラス、ツクヨミ、スサノオは兄弟姉妹神なのですが、有名なのはアマテラスとスサノオでツクヨミはあまり古事記にも登場しません。まさかここでツクヨミが出てくるとは、と古事記好きにはちょっとワクワクする逸話でした。
調神社 Data
創建年 | 2,000年前の第10代崇神天皇の勅命により創建 |
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ご祭神 | 天照大御神(あまてらすおおみかみ) 豊宇気姫命(とようけびめのみこと) 素盞嗚尊(すさのおのみこと) |
縁の人物 | 足利尊氏(南北朝時代の延元2年(1337)に一色範行に命じて荒廃した社殿を復興したと伝えられる) |
ご利益 | 防疫・子宝成就・子孫繁栄 |
住所 | 埼玉県さいたま市浦和区岸町3 |